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データで見る、夫婦の公平

「どちらが多く負担しているか」は、感覚で言い合うと平行線になります。ここでは、公的な統計から時間・お金・時期の3つを並べました。ツリアイの診断も、この数字を土台にしています。

実測(調査の数値)と推計(この記事で按分した値)を必ず分けて書いています。個人の家庭に当てはめるための平均値ではなく、話を始めるための目安としてお使いください。

1. 生涯で見ると、外で働く時間と家のことの時間はほぼ同じ

会社勤めを続ける人の生涯労働時間は約8.4万時間(年1,950時間 × 43年)。いっぽう、家庭に軸足を置く側の家事・育児・介護は約8.3万時間通算ではほとんど変わりません。違うのは「いつ、どれだけ働くか」の配分です。

時期家庭側の1日年あたり会社勤めとの比
子どもが生まれる前3時間(推計)1,095時間0.56倍
末子が未就学(0〜5歳)7時間28分(実測)2,725時間1.40倍
末子が小学生5時間(推計)1,825時間0.94倍
末子が中高生4時間(推計)1,460時間0.75倍
子どもが独立したあと3時間(推計)1,095時間0.56倍
親の介護(平均5年1か月)上乗せ2時間(推計)+730時間
子どもが生まれる前

家庭側の1日 3時間(推計)
年あたり 1,095時間 / 会社勤めとの比 0.56倍

末子が未就学(0〜5歳)

家庭側の1日 7時間28分(実測)
年あたり 2,725時間 / 会社勤めとの比 1.40倍

末子が小学生

家庭側の1日 5時間(推計)
年あたり 1,825時間 / 会社勤めとの比 0.94倍

末子が中高生

家庭側の1日 4時間(推計)
年あたり 1,460時間 / 会社勤めとの比 0.75倍

子どもが独立したあと

家庭側の1日 3時間(推計)
年あたり 1,095時間 / 会社勤めとの比 0.56倍

親の介護(平均5年1か月)

家庭側の1日 上乗せ2時間(推計)
年あたり +730時間 / 会社勤めとの比

つまり家庭側の負担は山と谷でできています。子が小さい時期は会社勤めの1.4倍、子が独立したあとは0.55倍。公平かどうかは「山」だけを見ても決まりません。山を担った側に、谷で何が返るのか——自由な時間なのか、それとも「これからは外でも働いて」なのか。ここで通算が決まります。

谷の時期に外でも働く(年1,000時間)場合、家庭側の生涯は約10.0万時間になり、会社勤め側より約1.6万時間多くなります。

実測は「6歳未満の子がいる妻の家事関連時間 1日7時間28分」(社会生活基本調査2021)と「一般労働者の月間総実労働時間 約162時間」(毎月勤労統計調査)。ほかの時期は按分した推計です。介護期間の平均61.1か月は生命保険文化センター。

出典: 総務省 社会生活基本調査(2021)厚労省 毎月勤労統計調査(JILPT)生命保険文化センター 介護期間

2. いまの日本の平均(1日あたり・家事関連時間)

6歳未満の子がいる夫婦

1時間54分 / 妻 7時間28分(合計 9時間22分)。 2016年と比べ夫は31分増、妻は6分減。

共働き世帯(子の有無を問わず)

51分 / 妻 3時間24分(合計 4時間15分)。

国際比較(6歳未満の子を持つ夫)

日本 1時間23分 に対し、スウェーデン 3時間21分、アメリカ 3時間7分、ドイツ 3時間。(白書2020年版の国際比較時点。日本は2021年に1時間54分へ)

出典: 総務省 社会生活基本調査(2021)内閣府 男女共同参画白書 生活時間の国際比較

3. 「担う側」は、時期によって入れ替わる

出産のとき

第1子出産前後に仕事を続けた妻は 69.5%(2015〜19年の出産・第16回出生動向基本調査)。1980年代の3割台から大きく上がりました。継続した人の 79.2% が育児休業を利用しています。

男性の育児休業

取得率は 30.1%(2023年度・雇用均等基本調査)。前年度から13ポイント上昇し、初めて3割を超えました。ただし取得期間は短いものが多く、時間の分担が変わったかは別に見る必要があります。

親の介護

介護期間の平均は 5年1か月(61.1か月)。介護・看護を理由に仕事を辞めた人は年 10.6万人(2022年・就業構造基本調査)で、その約8割が女性です。

世帯のかたち

共働き世帯 1,278万 に対し、専業主婦世帯は 517万(2023年・労働力調査)。1997年に共働きが上回り、その差は開き続けています。

出典: 社人研 第16回 出生動向基本調査厚労省 令和5年度 雇用均等基本調査(JILPT)総務省 就業構造基本調査(介護離職)総務省 労働力調査(JILPT)

4. お金(年齢別の平均給与)

年齢男女計(参考)男性(参考)女性
20〜24歳267万円279万円253万円
25〜29歳394万円429万円353万円
30〜34歳431万円492万円345万円
35〜39歳466万円556万円336万円
40〜44歳501万円612万円343万円
45〜49歳521万円653万円343万円
50〜54歳540万円689万円343万円
20〜24歳

男女計 267万円
男性 279万円 / 女性 253万円

25〜29歳

男女計 394万円
男性 429万円 / 女性 353万円

30〜34歳

男女計 431万円
男性 492万円 / 女性 345万円

35〜39歳

男女計 466万円
男性 556万円 / 女性 336万円

40〜44歳

男女計 501万円
男性 612万円 / 女性 343万円

45〜49歳

男女計 521万円
男性 653万円 / 女性 343万円

50〜54歳

男女計 540万円
男性 689万円 / 女性 343万円

男女の差(事実として)

給与所得者の平均給与は全体 460万円、男性 569万円、女性 316万円(2023年・国税庁)。年齢が上がるほど差は開き、35〜39歳では男性556万円に対し女性336万円です。 女性は非正規や短時間勤務の割合が高いことが差の大きな要因で、同じ働き方どうしの差はこれより小さくなります。

住む場所の差

所定内給与(月額)の全国平均は 33.0万円、いちばん高い東京は 40.4万円。全国平均を上回るのは4都府県だけです(2024年・賃金構造基本統計調査)。 「相手の年収」を考えるときは、年代だけでなく住む地域でも基準が変わります。

生活費を「きっちり半々」にすると、同じ金額でも稼ぎが少ない側の手取りに占める割合が大きくなります。だから釣り合いを決めるのは金額ではなく、2人のあいだの差です。

ツリアイの診断では男女別の平均は使いません。男女で別の物差しを当てると「女性は低くて当然」を前提にすることになるためです(判定は男女計と、相手との差だけで行います)。

出典: 国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査厚労省 令和6年 賃金構造基本統計調査(都道府県別)

5. 結婚のタイミング

平均初婚年齢は夫31.1歳・妻29.7歳(2023年・人口動態統計)。1990年と比べると夫は2.7歳、妻は3.8歳あがりました。結婚してから子どもが独立するまでの「山」が、40代後半〜50代にずれ込み、親の介護と重なりやすくなっています。

夫が年上

51.7%

同い年

22.8%

妻が年上

25.5%

初婚どうしの夫婦の年齢差です(人口動態統計)。4組に1組は妻が年上で、夫から見た妻の年齢は−6歳〜+3歳に約85%が収まります。「年下がいい」という希望は珍しくありませんが、実際に結ばれている範囲はもっと狭く、そして年上側にも広がっています。

出典: 厚労省 人口動態統計(令和5年・平均初婚年齢)e-Stat 初婚夫妻の年齢差別 婚姻件数

ツリアイでは、この数字をこう使っています

分担のスライダーに時間を出す

割合(あなた70%)だけでは重さが伝わらないので、家庭の状況に応じた週あたりの時間の目安を一緒に出します。

通算(人生トータル)で見る

いまの分担だけで判定しません。山を担った側に、谷で返す設計かどうかで、偏りの見方を変えます。

お金は相手との差で見る

年収の絶対額ではなく、2人の差と分け方の組み合わせで釣り合いを判定します。

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出典